趣意書

東三河地区においては、愛知県の他地域に先駆け、平成20年11月から、地域の全公立学校と東三河地域に所在するすべての大学・短期大学が参加して東三河高大連携協議会を設立し、高大連携事業を展開して大きな成果を収めてきた。設立にあたっては、当時の社会情勢として以下のような認識がなされた。それは、少子化により大学全入化時代を迎えたこと、大学、短期大学への進学率が50パーセントを超えたこと、その一方で、必要な学力を身につけないまま高校を卒業していく者、大学で学ぶことへの確固たる目的意識や将来への展望をもたないまま進学する者が増加していること、大学においても学生の学力、学ぶことへのモチベーションの低下が重大な課題として浮上してきているということであった。

その中で、生徒自身の学習および将来に対する意識を明確化し、高校から大学への接続を円滑化することを目指した「高大連携」の重要性が認識されてきたが、その実施方法において、各学校間で実施されているため、大学、高校双方の負担が大きいこと、その成果が外部には見えにくいことという問題も生じていた。

そこで、現在の状況が第1段階とすれば、第2段階として、事業の成果を地域全体に普及すること、学校の枠を越えて活動することによって、生徒がお互いに刺激し合い、より大きい成果を上げることへの期待から、東三河高大連携協議会が設立され、東三河地域における高大連携事業計画とその実施の調整を行い事業の円滑化を図ると同時に事業成果の拡大と普及を目指すことになった。

その後、東三河高大連携協議会が設立されて以降5年の間に、東三河県庁の設置、三遠南信地域の連携等地域全体の活性化が盛んに行われるようになってきた。歴史的にみても東三河地域と遠州とりわけ浜松地区との行政区を越えた経済的な交流、人事的な交流は盛んに行われてきており、大学進学という点においても本地域から浜松地区の大学への進学希望も相当な数にのぼっている。そこでこうした状況を踏まえ、本協議会を浜松地区にも拡大し、これまでの東三河高大連携事業に加え、浜松地区の大学との連携を円滑に実施することによって、生徒の将来ばかりでなく、広く東三河・浜松地区の活性化にも役立てることができるのではないかと期待する。

平成24年7月19日   

東三河・浜松地区高大連携協議会設立趣意書・規約(pdfファイル)